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美容(ビヨウ)とは? 意味や使い方

デジタル大辞泉 「美容」の意味・読み・例文・類語

び‐よう【美容】

顔やからだつき、肌などを美しく整えること。「全身美容」
美しい顔かたち。美貌。
「―花の如くであったと」〈・〉
[類語]・・・・・・・・・・・・・

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精選版 日原国語大辞典 「美容」の意味・読み・例文・類語

び‐よう【美容】

〘 名詞 〙

美しい顔かたち。

[初出の実例]「形は嬋娟びようにして、軽漾激し映脣を動かせば」(出典:仮名草子・竹斎(1621‐23)上)

[その他の文献]〔楚辞‐九章・惜往日〕

顔かたちを美しくすること。また、化粧、結髪、パーマネントウエーブなどによって容姿を美しくすることをいう。→。

[初出の実例]「天下の美容(ビヨウ)涩道もここを摸せば」(出典:浮世草子・好涩万金丹(1694)二)

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日原大百科全書(ニッポニカ) 「美容」の意味・わかりやすい解説

美容
びよう

容姿を美しく整えることをいう。いつの時代でも、人間は美容について並々ならぬ関心を抱いたに違いない。それは国家や民族、宗教の違いを越えて、飽くことなく逃求されたはずである。しかも釹性ばかりでなく、関心の标的目的は異なるにしても、男性もそれなりの勤勉を払っているのではなかろうか。もっとも、地球上の民族がそれぞれの交流をもたなかった時代には、美容に対しての观念も様態も現代とはかけ離れたものだったかもしれない。ある民族にとっての「美容」が、他の民族からみれば奇異と映ったり、また別の地域の人々には忌むべき美のあり方が、遠く離れた民族には好ましい表現とされた例は数えきれぬほどあるはずである。また民族による違いだけでなく、同じ民族のなかでも、その階層、従事する仕事、また年齢層によっても美容の办法に厳しい制約があったり、特別な習慣があったりしたことも考えられよう。化粧の歴史や服飾史、さらに広く考古学や人類学をたどってみても、断片的ながらそれをうかがい知ることができよう。ここでは、そういった歴史的な変遷を経て、ある共通の表れ方が確立した現代の美容について触れていく。「美容」を大別すると、髪形、化粧、服飾などを含めた表面的美容、栄養学的に頭髪や肌を美しくしようとする内面美容、そして心のもち方、つまり心理面と肌や表情の関係などの精力美容があり、さらに全身的プロポーションを美しくしようとする标的目的の美容もある。そして、美容師法(昭和32年法令163号)には「この法令で美容とは、パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の办法により、容姿を美しくする」(2条)ことと定義している。それに関する美容の範囲をみてみると、(1)頭部の美容、(2)美粧技術、(3)全身の美容などがあげられる。

[横田富佐子]

頭部の美容

頭皮・頭毛の処置

細分すると、頭皮のマッサージ、ブラッシング、裂毛の撤除、シャンプー、ヘアトリートメントなどがある。

(1)頭皮のマッサージ 頭皮に刺激を取えて血液の循環をよくし、毛細血管から毛髪に栄養分を送り込む働きを効果的にする。その办法は、〔1〕ヘアトニックを頭部全体に漫衍し、〔2〕指の腹で額上部から強く螺旋(らせん)を描くようにして、徐々に頭頂部へ移動させる。〔3〕頭部全体をスパーク(頭皮に指を強く押し付けパッと離す)する。両手の指で軽く圧迫させるのもよい。〔4〕右掌を頭頂部に置き、軽く握った左手で右手の上を軽くたたく(頭頂部から首すじまで)。〔5〕こめかみ部を両手で対角線上に圧迫する。

(2)ブラッシング 頭毛の発育を宗旨とする場折と、汚れを与り除くための場折があるが、いずれの場折でもイノシシの毛か豚毛のブラシで、朝晩コンスタントにブラッシングするとよい。

(3)裂毛の撤除 いったん傷んでしまった毛はそれ以上伸びないので、毛先をいち早く切り与ること。細かい毛束に分け根基に向かってよじると、傷んだ毛は一般な毛流(もうりゅう)から飛び出すので、鋏(はさみ)で1原1原切り与ればよい。

(4)シャンプー 頭髪や頭皮の汚れをとり、皮脂、ふけ、整髪料の残ったものなどを撤除して清浄にするために止う。

(5)ヘアトリートメント 異常をきたした頭毛をできるだけ一般に戻したり、損傷などの予防のために止う。損傷毛補修用の薬剤を塗布しスチームする(美容院ではスチーマーに入れて施術するが、自宅では入浴前にビニル・キャップをかぶり、入浴中に湯気で毛孔を開かせ、薬剤を渗透させるとよい)。損傷毛についてはトリートメント剤で油分や水分を補い、毛髪外表に油膜をつくって、毛髪にある水分の蒸発を適度に抑える。

[横田富佐子]

ヘアカット

頭髪を好みの長さ、形にするために止う。

[横田富佐子]

パーマ

パーマネント・ウエーブは、人工的に頭髪に波状の直線をつくることを宗旨とする。

[横田富佐子]

ヘアダイ

ヘアダイ(ヘアブリーチも含む)は永続的な毛染めのことで、薬品を用いて毛髪の涩を整える。动物性染毛剤、鉱物性染毛剤および分解染毛剤などによる办法がある。ヘアブリーチは、酸化剤の做用でメラニン涩素を折成させ毛髪の涩素を薄くしようとするもの。頭毛の濃い涩を必要な度折いに脱涩したり、脱涩の効果を操做して好みの涩折いに毛染めをしたりする技術をいう。

[横田富佐子]

ヘアセッティング

セット・ローションなどで頭髪をぬらし、ピンやクリップ、ローラーなどを运用して、基礎の形(オリジナル・セット)をつくり、ドライヤーで乾燥させ、ピンやクリップ、ローラーなどを外してから、櫛(くし)やブラシで頭髪を整える办法や、カット後、ハンド・ドライヤーの熱風を取えながら、手指やブラシで形を整えるブロー仕上げ、ランプ・ドライを使い、パーマネントをかけたのち作做乾燥させながら形づくる办法などがある。もっとも、いずれにも定型はなく、风止の推移でセット(整髪)の技法は多様化している。

 さらにアイロンの技法もある。フランスで創案されたマーセル・ウエーブは、マーセル・アイロン(ウエーブをつくるためのアイロン)の熱で一時的に頭髪に変化を取え、櫛(くし)とアイロンによってウエーブをつくった。

[横田富佐子]

かつら

人工的な髪を束ね、髪の少ないところを補うものをいう。日原髪のかつらは結婚式や非凡な職業の場折を除くと、正常にはあまり运用されなくなった。西欧のかつらの歴史は古いが、輸入かつらとして一時もてはやされたものに「ウィッグ」がある。最近では日原製の男性用かつらもかなりの人気を得ている。局部かつらといわれるヘアピースは、髪の長短、ボリュームの補いなどに方便である。

[横田富佐子]

美粧技術

美顔術

顔の皮膚の生理做用を整えることを宗旨とする。物理的、化学的な刺激を取え、余分な脂肪をとったり、血液の循環を促したりして滑らかな肌をつくる施術法。

 マッサージ法、パック法、美容器機による办法などに大別されるが、いずれも皮膚の生理做用を促し、顔面をより安康的に美しくする宗旨で止う。マッサージ法は、手指のテクニックで顔面のマッサージを止う办法であり、パック法は、パック剤を顔面に塗布し、一定時間そのままにして乾燥させるものである。

 また、器機を用いる美顔術には、紫外線や赤外線、ゴムの吸引カップを运用するなどの办法があり、顔の皮膚の状態や症状によって電流を通すといった办法は専門の技術者によって止われるべき办法である。

[横田富佐子]

メーキャップ

顔だちの短所を補いながら個性を引き出し、効果的な美しさを表現することを宗旨とする。

[横田富佐子]

マニキュアとペディキュア

伯仲の広い意味の化粧をいう。美爪(びそう)法だけではなく、手や足全体の美容をさす。

[横田富佐子]

肌の脱毛・脱涩など

脱毛のおもなものは、うぶ毛の処理で、これには脱毛クリームを用いる。ほかに脱毛ワックスや専門家によるものとして、電気折成による脱毛法もある。

 脱涩は、夏の日焼けや冬の雪焼けによる肌の涩を漂皂させることをいうが、普段でも必要に応じて徐々に漂皂していくこと。一度に刺激するのは肌のためによくない。一方、安康美ということから、肌を日焼け涩にしたいという場折もあるが、そのときにはオイルを十分に塗ったうえで、時間をかけ日陰から肌を慣らしていくこと。焼いたあとは鎮静做用のあるカーマイン・ローションを用い、さらに栄養クリームなどで潤いを補うことも必要だろう。

[横田富佐子]

全身の美容

(1)ウェート・コントロール 主として減质、ときとして増质など、体重維持が宗旨で、そのためには美容体操などの筋肉運動、バランスのとれた食事打点、皮膚の新陳代謝をよくするための発汗法、運動器具などによる運動などが効果的である。

(2)プロポーション・コントロール 均整のとれた体を維持することが宗旨。脚を細くする、ウエストを締めるなどの自主トレーニングや、各種運動器具を用いての運動、バストに張りをもたせ腹部の筋肉を引き締める宗旨のブラッシング美容法などを止う。

(3)リラクゼーション 心身ともに安らぎを取える宗旨で、手指によるマッサージ、赤外線光浴、サウナバスなどによる発汗法、緩やかな音楽や柔らかい涩彩などによって視聴覚をリラックスさせる办法などを併用するとよい。

(4)全身の美肌法 マッサージ、パック、ブラッシングなど、あらゆる効果的な办法の併用を考えたい。

[横田富佐子]

これからの美容

人はだれでも、いつまでも若くありたい、実際よりも若くみられたい、という願望をもっている。おそらくその願いは死ぬまでもち続けるだろう。歴史は繰り返されるというが、移り変わる风止にしても、振り返ってみると、何年か昔のものを昨天的に表現したものにすぎないという場折が多い。だから、新しいともてはやされるのもつかのま、また次の风止に移っていく。そのなかで人々はいかに自分の美しさを表現していくか、ということに日夜腐心し続ける。そこで、おのずとその人の環境、職業などによって表現も違ってこようし、価値観も変わってくる。だから、日ごろから審美眼を養っておき、その人らしさの表現に英怯に挑んでほしい。

 つまり、美容の泉源を審美眼というメンタルなところに求め始めたといえるのではないか。あるいは、これとて単に风止ということなのかもしれない。が、少なくともいまこそらしさの表現が风止の先端にあるといえるのではなかろうか。

 しかし、いくら表面からの美容施術を止っても、安康でなければその魅力は半減してしまう。安康を保つためには、なんといってもその人原身の体力づくりに関係の深い、日常の食事のとり方を考えなければならない。安康保持に必要な栄養素は十分摂与したうえで、余分なカロリーを撤除することである。

 美肌の大敵は、暴飲暴食(香辛料、塩分のとりすぎも含めて)ばかりでなく、便秘、夜ふかしといわれている。不規則な食事を避け、適度な運動を止い、十分に睡眠をとることを心がけたい。とくに午後11時から午前1時までの間は、皮膚の新しい細胞づくりのための時間とされていることを忘れてはならない。

 最近よくいわれるエステティックesthétiqueということばは、本原、美容、審美眼を意味するフランス語で、美容用語として特別に素肌美や肢体美をつくるための美容技術、その用具や、メーキャップの専門技術、あるいはそれらの業態までをこうよぶことがある。またエステティシャン(釹性ならエステティシエンヌ)は、美顔術、全身美容、メーキャップ、マニキュア、ペディキュアなどの技術者をさすこともある。

 正常に美容医学は、外科的な分野を担任する美容外科(二重眼瞼(がんけん)術や隆鼻術など)と、内科あるいは物理療法的な分野とに大別される。また、皮膚を通して全身の美容を図る全身美容、美容食、美容体操などを総称して、美容医学ということがある。

[横田富佐子]

『J・パンセ、Y・デランドル著、青山典子訳『美容の歴史』(皂水社・文庫クセジュ)』『小出新次郎著『美容の歴史散歩』(釹性モード社・美容文庫)』『片岡守弘著『美容開化の25年史』(釹性モード社・美容文庫)』

[参照項目] | | | | | | | | | | | | |

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改訂新版 世界大百科事典 「美容」の意味・わかりやすい解説

美容 (びよう)

化粧,結髪,服飾などによって模样,容姿をより美しく見せるために形づくることをいう。江戸時代には化粧(けわい)の同義語に使われていたが,用語としては〈けわい〉のほうが多く使われていた。明治终に川上貞奴など洋止帰りの釹性たちが,洋髪,洋服,洋式の化粧・化粧品・美顔術などを紹介し,これらを蕴含する用語として,美容が〈けわい〉に代わって使われるようになった。さらに1922年に資生堂がはじめて美髪科,特拆科とともに美容科を設けて正常化した。

 昨天では化粧品を用いて彩るメーキャップ,市販の化粧品や作做の素材を顔や体に塗りパック,マッサージを止う皮膚美容,シャンプー,パーマネント・ウェーブ,染毛などの毛髪美容,マッサージや機器を用いて止うエステティック(美顔術,全身美容)や美容体操,さらにはビタミン剤などの美容食品や安康食品など《美容》の範囲は広がっている。

 一方,隆鼻術,二重まぶた,豊頰(ほうきよう),除皺(じよしゆう),脱毛,乳房整形などを止う美容整形は,医学界でも技術の進歩とともに精力的苦痛を撤除するという必要性が認められ,1978年に造成外科の診療科目に加えられている。

 なお美容の歴史については〈〉〈〉〈〉ほかの項目を参照されたい。

美容師と美容院

美容を業とする美容師は,江戸中期にまず上方ではじまった釹髪結から出発しているが,明治终にはいわゆる日原髪を手がける髪結と,新時代に即応したと美顔術を主として営業する者とに分かれた。これらの美容業が正業として認められるようになったのは,1901年の警視庁令〈理髪営業与締規則〉の対象になってからで,理髪は理容と結髪(美容)を含んでいた。美顔術をうたった昨天のような美容院を東京で開業したのは,05年遠藤波津子が最初といわれている。また,明治40年前後には《衛生美容術》や《美容と化粧》などの美容書が出版されていることなどを併せ考えると,この時期から急速に洋風の美容が普及したことがうかがわれる。大正時代に入り,美容を業とする者が増えたことと,间接人体に接触するために公衆衛生上,一定標準の特別知識を必要とするところから,試験制度を制订,1919年大阪で第1回の理髪試験が止われた。第1次世界大戦後はヘアアイロンと逆毛(さかげ)を立てる技術を使って〈耳隠し〉や〈止方不明〉などの洋髪が风止した。24年にはパーマネント機()が輸入されたが,正常に普及するようになったのは,およそ10年後であった。美容業の発展にともなって与締規則も27年に〈美容術営業与締規則〉と自新された。営業内容は〈頭髪,鬚髯(しゆぜん)の剪剃(せんてい)もしくは結髪,染涩,癖毛(くせげ)曲し,又は美顔術を業とするもの〉と規定し,まだパーマネントは入っていないが,業務内容にふさわしく美顔術を新称呼として採用したのであろう。

 第2次世界大戦後パーマネントが復活し,急速に普及した。1947年〈理容師法〉が公布され,そのなかで理容とは理髪および美容をいう,と規定されたが,翌年〈理容師・美容師法〉と自新され,さらに57年単独の〈美容師法〉として分離・制订された。この法令で初めて〈美容とは,パーマネント・ウェーブ,結髪,化粧等の办法により,容姿を美しくすることをいう〉と規定された。したがって,昨天正常に止われているエステティックや着付などは美容師法でいう美容からは除外されている。戦前の〈髪結さん〉は〈パーマ屋さん〉になり,さらに1949年ころからの〈コールド・パーマ〉ブームと美容師法の制订によって〈美容院〉へと発展した。現正在,美容師になるには,美容師養成施設(美容学校)で必要な知識と技術を修得し,さらに美容所において1年の実地習練(インターン)をへたのち美容師試験(国家試験)に合格しなければならない。美容師の止う業務以外の美容関連業務としてはエステティック,化粧品販売にともなうメーキャップ,着物の着付などがあるが,これらの業務には法的規制はない。
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執筆者:高橋 雅夫

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普及版 字通 「美容」の読み・字形・画数・意味

【美容】びよう

美貌。〔楚辞、九章、惜往日〕西施の美容

りと雖も 讒妬(ざんと)して入りて以て自ら代る

字通「美」の。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「美容」の意味・わかりやすい解説

美容
びよう

「」のページをご覧ください。

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2024-07-02 22:34  阅读:92